少子高齢化や核家族化の加速により、年々高齢者の一人暮らしは増え続け、比例するように孤独死の件数も増えています。
「自分の家族は健康だから孤独死などしない」と思っていても、誰かが一人で暮らす限り、孤独死の危険性を100%払しょくするのは不可能です。そのため、あまり考えたくないことではありますが、孤独死が起きたとき、どのように片付けをし、進めていくべきなのかあらかじめ知っておく必要があります。
今回は孤独死が起きたとき、片付けるものについて紹介します。
まずはじめに孤独死について紹介します。
孤独死とは誰にも気が付かれず、一人でひっそりと亡くなることを指します。一人暮らしの高齢者が、自宅で老衰や持病などで亡くなった場合が当てはまります。ただ、孤独死の定義はこの「一人でひっそりと亡くなる」ことでしかないため、年齢や死因は無関係です。つまり、健康な若い方が、一人暮らしの部屋の中で足を滑らせ頭を打ち、亡くなった場合も孤独死と呼ばれます。そのため、孤独死は一人暮らしである限り、可能性をゼロにすることができないのです。
また、孤独死は遺体が発見されず、放置されると腐敗が起こり、部屋に体液などがしみ込み、部屋や家にダメージを与えてしまいます。さらに染み込んだ体液が床や壁を腐らせれば近隣に迷惑は免れません。
そして、社会的に孤立した状態で孤独死をしてしまう「孤立死」が発生すると、大抵の場合で放置が長引くため、遺体の腐敗が加速してしまいます。つまり、孤立死では害虫やにおいなどが発生し、簡単に片付けできない状況になってしまいます。
次に、孤独死が起きたときに片付けるものを紹介します。
孤独死が起きると、「遺体の片付けも行う必要がある?」と思われがちですが、そんなことはありません。まずは事件性がないか警察が確認を取るため、遺体の処理を親族の方に委託することはまずありません。つまり、孤独死の起きた現場に残されたものは故人様の遺品だけです。
ただ、遺品を片付ければすべて解決という訳にも行きません。先の章で説明した通り、孤独死の起きた現場では、遺体から漏れ出した体液によって汚れた床や壁があるかもしれません。それらの片付けも含まれます。
また、片付ける義務がある方は主に親族です。法定相続人の順位に従って遺品整理の義務が決まります。(配偶者、子や孫といった順)
では、これらの片付けを自力で進めることはできるのでしょうか。
これらの片付けを進めるにはさまざまな問題が立ちはだかります。
もし、体液等が床や壁に染み込んでしまっている場合は、部屋の解体工事が必要となるため、大半の方が自力で進めるのは困難となります。
次に孤独死の起きた現場では、臭いの強さから市販の消臭剤などでは脱臭できないことと、窓を開けて換気ができないことから、閉め切った部屋の中で特殊な薬剤や機械を使って消臭する必要があります。
さらに、感染症やウイルスなどの危険性もあります。故人様の死因が分からない場合は、感染症の可能性も捨てきれません。そのため、片付ける際は感染症対策のできる防護服などを着用する必要があるのです。
最後に孤独死した現場は凄惨な場所となっています。マスクをしても悪臭はひどく、部屋の状況からどこで亡くなったかが明らかです。つまり、自力で進める場合は親族の死んだ場所が容易に想像できる場所で、片付ける必要があるのです。精神的に大きな苦痛となることは避けきれません。
このように自力で進めるには、解体工事、特殊な機材の使用、防護服などの技術面と凄惨な現場に耐えられるだけの精神面を兼ね備えていなければ行けません。そのため、自力で片付けを進めるのは非常に困難です。
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自力で進められないとなると、片付けは特殊清掃業者への依頼となります。
特殊清掃業者は先ほどご紹介したような、自力で片付けできない技術面と精神面両方の条件を解消してくれます。
主な特殊清掃業者のメリットを紹介します。
オゾン脱臭機などを使い、部屋を閉め切ったままでも完全に脱臭できます。臭いのもとを分解して脱臭します。
体液等がしみ込んでしまった床や壁を取り外し、貼り直すことができます。そのため、臭いのもとを除去できるため、脱臭後に臭いがぶり返すことはありません。
ハエやゴキブリなどの害虫の駆除や除菌も進めてくれます。また、清掃員は防護服などを着用して作業を進めるため、感染対策も万全です。
体液等で汚れてしまった遺品の回収も請け負ってくれます。臭いなどがひどく、自力では処分するのが困難な遺品も請け負ってくれます。
孤独死の起きた現場の遺品の大半は、遺品についた臭いの問題から処分するしかありません。そんな遺品の処理も適切に進め、近隣に迷惑をかけずに処理してくれます。また、処分に抵抗のある遺品があれば、供養などの手配も請け負ってくれます。
特殊清掃業者はこのようなメリットを持つため、自力で進めるより簡単かつ安全に孤独死後の片付けが進められます。
このように孤独死後の片付けは、特殊清掃業者が現実的であるとご理解いただけたと思います。ただ、特殊清掃業者といっても、どの業者でも良いことはありません。安全な業者を選択できなければ、臭いが消えなかったり、悪徳業者に騙されてしまうこともあるのです。最後に特殊清掃業者の選び方を紹介します。
経験が浅い業者に頼んでしまうと、どれだけ誠実な対応でも技術的な問題が発生してしまうものです。臭いが消えないなどの問題が発生すれば、「もう一度別の特殊清掃業者に依頼する」といった事態を引き起こすため、金額も負担も大幅にがかかります。
判断方法はホームページなどからではなく、どれくらいの期間、運営していたかなどといった実績で測るのがおすすめです。運営年数や一番古い口コミはいつからあるかなどで判断しましょう。
基本的に孤独死の起きた現場の片付けを依頼する方は、親族の方です。そのため、親族の方に寄り添った対応ができることが求められます。親族の方の心境次第ではありますが、細かな心配りができるかどうかも重要です。口コミなどで確認しましょう。
孤独死の現場は脱臭が終わったと思っても、数日後に臭いがぶり返してきたりするものです。その際に、アフターサポートができるかどうかも重要です。作業内容に含まれているか確認しましょう。
特殊清掃は緊急性を要する場合が大半であるため、その状況にかこつけてお金を騙し取ろうとする悪徳業者も存在します。見積り後に大量の追加料金を請求したり、不当な金額を請求したりします。また技術もないため、適切な片付けはできません。見分け方は依頼時の対応や見積書を出さない、ホームページが存在しないなどがあげられます。少しでも怪しいと思ったら、依頼を断ることも重要です。
身内の孤独死が起きた際、正常な判断を下すのは非常に困難です。もちろん孤独死を防ぐ対策も重要ですが、孤独死後の片付けについてもはっきりと理解しておくことが重要です。無理に自力で進めて、近隣住民に迷惑をかけたり、悪徳業者に依頼し、一生の後悔を抱えてしまうケースも考えられます。
考えることは心苦しいことかもしれませんが、一度この記事を参考にして考えてみてください。
この記事で少しでも、孤独死の際の片付けについて知識が深まりましたら幸いです。お読みいただきありがとうございました。