急病や事故によって一人でひっそりと亡くなられてしまった場合、大量の日用品や食品、生活ゴミがそのままの状態で残されます。そして孤独死の発見が遅れてしまうと腐敗臭や血液が遺品に染みつき、手がつけられないほど汚損が進行してしまいます。
孤独死現場に残された遺品や貴重品を何も対策せずに触れるのは大変危険です。今回は孤独死現場の遺品整理についてご説明いたします。
孤独死は連絡が取れず不審に思ったご家族や友人が訪問したり、腐敗化による異臭や害虫被害の拡大によって発見されることが多いです。
賃貸物件のお部屋で亡くなってしまった場合、家賃や光熱費が支払われておらず大家さんが不審に思ってお部屋を訪れた際に発覚することもあります。
生前に親族と疎遠になっていた方でも、孤独死が発見された後は警察から連絡が届きます。
発見してすぐに親族へされるのではなく、まずは死体検分や現場検証を行うため警察が遺体を回収し、事件性の有無を確認します。
そして事件性が無いと判断された後に住民票や戸籍をたどって親族に連絡が届きます。親や兄弟に連絡がつかない場合は6親等まで死亡の連絡が届きますので、全く会ったことがない身内の死亡が伝えられることもあります。
孤独死現場から悪臭や害虫によって近隣へ被害を及ぼしていないのであれば、死亡手続きや葬儀を優先しましょう。遺品整理は他の手続きが全て完了した後から進めます。
警察から死亡の連絡が届いた後は7日以内に死亡届を提出します。警察から「死体検案書」という書類を渡されますので役所に届けましょう。原則として故人の本籍地か届出人の市区町村役所に提出しなければいけません。
また、死亡届の届出義務者は親族や同居人と定められています。
アパートなどの賃貸物件に住んでいた方が孤独死し、親族に連絡がつかない場合は大家さんが届出人になることもあります。亡くなられた方の友人では死亡届を提出ができないため、大家さんや親族に依頼して提出してもらう必要があります。
死亡届を出した後は葬儀を行います。死亡届を提出すると火葬許可証を発行してもらえますので葬儀社に提出しましょう。孤独死の場合、遺体の状況によっては葬儀前に火葬を行わなければならない場合もあります。
また、葬儀には様々な種類がありますので、ご予算や参列者の人数に合わせて規模を決めると良いでしょう。
一般的な葬儀の形式です。親族だけでなく知人や会社の人など幅広い人に参列してもらえますので、生前に親しくしていた人全員に見送ってほしい場合は一般葬儀を選びましょう。
家族葬は家族や親族だけで行う規模の小さい葬儀です。血縁関係がある方だけでなく、親しい友人も参列して問題ありません。規模を小さくすることで葬儀費用を抑えられるため、特殊清掃作業費用が必要な孤独死の葬儀では家族葬が選ばれやすいです。
お通夜を行わず、告別式、火葬を一日で行う葬儀です。身内や親しい人だけでひっそりと行いたい場合や、遺族が短期間しか葬儀場に滞在できない場合に適しています。
直葬とは葬儀などを行わず、自宅や病院から直接遺体を火葬場に運び、簡単にお別れをしてから火葬を行うことです。別名で密葬や火葬式と言われることもあります。一般葬よりも費用を抑えてお別れができるため、直葬を選ぶ方も増加しているようです。
遺言書に相続の分け方について指定されていなければ親族同士で話し合い、財産の相続先を決定しなければいけません。
まずは亡くなられた方が所有していた財産の内容と総額を全て把握しましょう。預貯金だけでなく、不動産や骨董品、投資信託も相続対象になります。
また、資産だけでなく借金などの負債も相続対象に含まれますが、亡くなられた方の負債は相続放棄ができます。
ただし相続放棄は3カ月以内に届け出なければ無効となってしまいますので、他の手続きに追われて期限を過ぎてしまわないように気をつけましょう。また、財産を一つでも引き取ってしまうと相続放棄ができません。形見の骨董品を部屋から持ち帰った場合でも無効となりますので、相続を放棄する場合は大切な物が残されていないかしっかりと確認することが大切です。
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遺品整理を行う前にまずは業者に特殊清掃を依頼しましょう。孤独死が発生した部屋は異臭や血液が残っており、足を踏み入れがたい状況と化していることが多いです。そのため、先に清掃を行い衛生環境を整えてから遺品整理を行います。
特殊清掃が終わり、安全性が確認された後から遺品整理を行います。孤独死現場には突然お亡くなりになった方がつい最近まで使用していた日用品や家具がそのままの状態で残されています。家具や日用品だけでなく、冷蔵庫に放置されていた食品や溜め込まれていた生活ゴミも処分しなければいけません。衣類や小物でも一部屋分の量となれば分別や処分は大変な作業となりますので、ご遺族だけでは手が負えないと感じれば無理をせず遺品整理を代行してくれる業者の利用を検討しましょう。
遺品は素手で触らないように手袋を着用して作業を進めましょう。遺品に付着した雑菌だけでなく、ホコリやカビの臭いを吸って気分が悪くなってしまわないようマスクも着用します。
孤独死が発生した部屋に置いてあった遺品には、目に見えない雑菌や生き物の糞などが付着している可能性があります。そのため汚れていない遺品でも素手で触らないようにしてください。もし遺品整理中に体液や血液が付着している物を見つけたときは絶対に触らず、特殊清掃業者に処分方法を相談してください。
孤独死の発見が遅れてしまった場合、腐敗臭や汚損の被害は一般の清掃では手に負えないほど拡大します。防護服や防毒マスクを着用せず孤独死現場に長時間滞在していると体調不良を起こす恐れがあります。
孤独死が発生した部屋は被害の拡大を防止するため特殊清掃を行わなければいけません。そのため、消臭や除菌作業を専門とする業者への依頼は必須になります。室内に残された遺品にも死臭や体液が染みついている可能性がありますので、特殊清掃と遺品整理を併せて行っている業者に依頼すれば迅速に現場を片付けられます。
特殊清掃と遺品整理を併せて行う業者を利用するメリットは、複数の業者を利用する手間や費用を省けることです。特殊清掃を行い室内を清潔にした後は遺品の搬出や処分を請け負ってくれますので、作業工程が変わる度に業者と見積もりや精算を行う必要がありません。一般の方だけでは搬出が難しい重量のある家具や家電も引き取ってもらえるため、賃貸物件の退去日が近づいている場合でも迅速に室内を片付けられます。
孤独死現場に残された遺品はすぐに触ろうとせず特殊清掃業者に依頼し、除菌、消臭作業を行い、安全が確認されてから整理を始めるようにしてください。
孤独死は発見が遅れてしまうと腐敗化や害虫の繁殖が進行し、時間が経過するほど清掃作業や遺品整理が困難になります。
思わぬ事故や急病で死亡した後に遺族へ迷惑を掛けないよう、親族や大家さんと定期的に連絡を取り合うよう習慣付けておくことも大切です。