孤独死とは一人暮らしの方が誰にも看取られることなく自宅で病気や事故などで亡くなる状況のことをいいます。
単身世帯の増加や近隣住民との関係性の希薄化により、高齢者を中心に孤独死が増加傾向にあります。
もはや孤独死は他人ごとではなく、あなたの身近にも起こり得ることです。
「孤独死はどうやって発見されるのか」「もし孤独死を発見した場合、取るべき適切な対応とは」
いざという場合に慌てず対応するために現状を把握し、その時に備えておきましょう。
この記事を監修した人
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。
孤独死は多くの場合「住人と連絡が取れない」「呼びかけても返事がない」ことによって判明します。
本人と連絡が取れなくなったため、アパートや自宅に訪問したら亡くなっていたというケースです。
孤独死の第一発見者は、アパートの管理人やオーナー、住人の親族であることが多いです。
次に多いのが近隣住民からの異臭や害虫の発生、郵便物がポストに溜まっているなど部屋の異常に関する通報です。
孤独死が起きて時間が経過すればするほど、ご遺体が腐敗し異臭や害虫が発生しやすくなります。特に夏場など高温多湿の環境下では、腐敗は進行し周囲に異臭が漂うようになります。このような状況に近隣住民が気付き、発覚することもあります。
実際に孤独死を発見した場合、まずどのような行動を取ればいいのでしょうか。
状況によって初動が変わってきますので、確認してみましょう。
発見時に明らかに死亡が確認できるような状況の場合は、すぐに警察に連絡をしてください。「腐敗臭がする」「室内に大量の害虫が発生している」などの状況は死亡している可能性が非常に高いです。
事件である可能性もありますので、決して室内には立ち入らず、現場のものに触れてはいけません。
また室内に入ってはいけないもう一つの理由としては、ご遺体の腐敗が進むと免疫のなくなった体からは人体に影響を及ぼすウイルスが発生し、感染症のリスクがあるからです。
孤独死であろうと推測される状況でも、はっきりと死亡しているかどうか判断できない場合はまず救急車を呼んでください。
「ぐったりしているけれども、呼吸があるかは分からない」「出血が見られる」などご自身で判断ができない場合は救急隊員に生存確認を任せるようにします。
119番通報を行い、落ち着いて状況を伝えましょう。
安否が心配で室内に立ち入り救命処置を行いたい気持ちが起きるかもしれませんが、救急車が到着するまでは現場に立ち入ることはやめてください。
部屋のオーナーや近隣住民が孤独死を発見し、警察が身元確認を終えると親族に連絡が入ります。連絡を受けたら直轄の警察署や指定の場所へ向かい、ご遺体の引き取りや死亡届の提出などの手続きの説明を受けましょう。アパートのオーナーと特殊清掃の実施などについて話し合う必要もあります。
・遺体の引き取り
親族の身元確認が必要になる場合もありますので、身分証明書を持参しましょう。
・死亡届の提出
死亡届は死亡が確認されてから7日以内に指定の役所に提出しなければなりません。
死亡届を提出すると、同時に火葬許可書をもらえます。これがないと火葬ができません。
・火葬、葬式を行う
孤独死で腐敗が進んでいるご遺体は衛星面から早急に火葬する必要があるため、故人が住んでいた地域で行われることが多いです。
お骨の状態になってから故郷に戻り葬式を執り行うことができます。
・特殊清掃を行う
孤独死が起こった現場は、特殊清掃が必要になるケースが多くあります。残された遺品の整理や特殊清掃が全て終わるまでは賃貸借契約を解除することができませんので、家賃が発生します。できるだけ速やかに特殊清掃の手配を行うことをおすすめします。
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特殊清掃とは、孤独死や事故死が発生して傷んでしまった住宅を特殊な機材や薬品を使用して原状回復させる清掃のことです。
特殊清掃は一般的なハウスクリーニングとは大きく異なります。ハウスクリーニングはあくまでも日常生活でついてしまった埃や汚れを除去する作業で、日常の清掃の延長線上にある清掃作業です。
特殊清掃はご遺体から染み出た体液や部屋中にこびりついてしまった異臭を除去したり、排水溝などの水回りの除菌作業などを行うために特殊な技術と機材、薬品が必要になります。
特殊清掃業者の中には不用品回収やリフォームも同時に行ってくれる業者があります。なぜなら特殊清掃が必要な現場では家具や壁にも悪臭が染み込んでしまい、使い物にならなくなってしまったり、リフォームが必要になるからです。
いざ特殊清掃業者に依頼をしようと思ってもたくさんの業者があり、どこを選べばいいのか分かりませんよね。さらに突然の親族の孤独死に直面した状況ではゆっくりと時間をかけて選ぶことはできません。
特殊清掃業者を選ぶ際にいくつか押さえておきたいポイントがあります。
・事件現場特殊清掃士の資格を保有しているスタッフがいるか
法律上、特殊清掃を行うために必要な資格は特にありません。
ですが特殊清掃を行うために十分な知識と心構えを持ち合わせているかが判断できる「事件現場特殊清掃士」という民間資格があります。
民間資格ではあるものの、特殊清掃のプロとして安心して作業を任せることができるかどうかの判断材料としては十分です。
「事件現場特殊清掃士」が在籍している業者を選択するようにしましょう。
・作業実績が豊富か確認する
特殊清掃は専門の清掃機器や特別な薬品を使用して、清掃作業を行います。毎回違った状況の中での汚染された部屋の原状回復や、徹底的な除菌・消臭のためには豊富な経験がものを言います。
実績がない業者に依頼をしてしまうと、悪臭が再発したり完全に除去できなかった汚れが浮き出てくるなどの二次被害を受けてしまうことも考えられます。
・明瞭な料金提示が可能か
業者との料金トラブルを避けるため、見積書を提示してもらう段階で明確に料金を確認するようにしましょう。
「見積書を書面で発行できない」とか「実際に作業を行ってみないと詳細が分からない」というような業者は経験が浅いか悪質な業者である可能性がありますので、依頼は避けたほうがいいでしょう。
・スタッフの対応などに関する口コミを参考にする
対応してくれるスタッフや営業担当の対応がしっかり丁寧であるかどうかも重要です。特殊清掃を依頼する機会は人生に何度もあることではありません。丁寧に詳細を説明してくれたり、突然の親族の死に対して気が動転しているところを親身になって対応してくれる業者を選びたいですよね。
多くの場合、ホームページに実際にその業者を使用した方々の口コミが掲載されていることがあります。ぜひ参考にしてみてください。また口コミだけではなく、ご自身で実際に電話などでスタッフと話をしてみるといいでしょう。
孤独死を発見したら警察に通報する、救急車を呼ぶなどの対応をすぐに行ってください。ただし室内に立ち入ると二次被害を生むことがありますので、立ち入ってはいけません。
親族の孤独死の連絡を受けたら、遺体の引き取りや死亡届の提出、特殊清掃など各種手続きが必要です。
年々増加傾向にある孤独死は、もはや他人事ではありません。
何かあってから慌てなくてもいいように、必要最低限の知識を身につけておくと安心です。