孤独死後の部屋の後始末をするのは親族?貸主?詳しい手順を説明お役立ちコラム

身近で孤独死が発生した場合、すっかり気が動転してしまって何から手を付ければいいのか困ってしまう方も多いですが、やるべき作業自体は状況によって自ずと決定するため、まずは落ち着いてどう対応すればいいのか判断することが大切です。

この記事を監修した人

小西 清香氏(整理収納アドバイザー)
小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)

元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。

孤独死現場が発見された後の対応

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おおまかに以下の方法で対応します。 

発見

孤独死は室内から漂う悪臭や周辺からの害虫被害などで「孤独死が発生しているのではないか?」という疑念がまず周囲に生まれ、それを元に確認が行われて、遺体を発見することで発覚します。

しかし、本当に孤独死・孤立死なのか、ただ掃除を怠った結果として汚部屋・ゴミ屋敷と化しているだけなのかをはっきりさせていない状態では対処のしようがありません。そのため、まずは家主や管理会社などを通して住人の方にコンタクトを取ってもらい、その結果に応じて救急車(亡くなってはいないが、倒れている・身動きが取れない状況である場合)か警察(明らかに亡くなっている場合)のどちらに連絡するかを決めます。 

現場検証・遺族への連絡

住人の死亡が確認された場合は、事件性がないか警察が遺体と現場を調べた後に、治療中の病気・怪我が原因の場合は死亡診断書、病気の治療を行っていない自殺や異常死の場合は医師による検案が行われて死体検案書のいずれかが発行されます。

それらの作業と並行して親族を探し、遺体の引き取りを依頼します。ここで故人の身寄りの有無で対応が分岐します。

故人の境遇別の対応

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故人の生前の家族構成・境遇によって「相続人」の役割とその後の対応が割り振られます。 

引き取り手がいる場合

親族と連絡がついて引き取り先が決定しましたら、警察から状況説明と捜査の際に使った鍵などの引継ぎが行われます。この時点でご遺体は葬儀社によって安置されていますが、孤独死後の遺体は腐敗して損傷しているケースが多いため、衛生上現地で火葬されてお骨の状態になっている場合も多いです。そのため、故人を帰郷させるスペースの確保と搬送方法を検討する必要があります。

その後「死亡の事実を確認して7日以内」に死亡届の提出、葬儀・遺品整理などを行う段取りを整えます。 

身寄りがない場合

遺体を引き取る親族がいない場合には地元自治体が火葬を行い、一定期間を過ぎても遺骨の引き取り手がいない場合は無縁塚に埋葬されます。

住宅の種類別・孤独死の後始末

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故人が生活していた住宅の種類によっても、対応は変わります。

持ち家で孤独死された場合に必要な作業は、お宅の清掃と先述した死亡届の提出手続き・火葬作業ですが、賃貸物件の場合はそれに加えて「契約期間を延長するか、それとも退去するか」「退去に必要な手続きと期限」「原状回復費用の負担額」などを貸主と協議する必要があります。加えて、アパートなどの集合住宅の場合は周辺住民への悪臭・害虫発生など二次被害とそれによるクレーム対策のため、清掃作業は迅速に行う必要があります。

どちらの場合でも特殊清掃作業を含む原状回復作業、その後には遺産相続のために遺品整理作業が必要になりますが、賃貸の場合は住人=故人との賃貸契約は継続され、滞納していた家賃がある場合や部屋を明け渡すまでに発生する家賃は相続人に請求されるため、ご自身が負担する金額を節約したい場合は諸々の決断・手続きを早めに済ませる必要があるなど、住宅の種類によって求められる作業スピードは異なります。

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孤独死後の後始末をするのは親族?貸主?

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周辺住民からの悪臭・害虫被害のクレームに対応する形で、お部屋のオーナー・大家などの貸主が孤独死を確認するケースもあります。その場合、その物件の貸主はどう行動すればいいのでしょうか。 

通報・親族へ連絡

先述した通り、まずは内部で何が起こっているのかを把握する必要があるため、まずはインターフォンを押す、契約時に登録してもらった電話番号に連絡するなどして住人とコンタクトを試み、応答がない場合には合鍵を使って状況を確認します。

しかし、明らかに異変が起こっている室内を確認する際にはご自身だけで対処しようとせず、警察へ通報して立ち会ってもらったうえで確認すれば安全かつ本当に孤独死が発生していた際にはスムーズに遺体を搬出することができます。

その後、部屋を貸す際に記録されていた緊急連絡先などを用いて、親族・相続人に連絡を取ります。 

死亡届の提出

死亡届は「親族」→「同居人」→「家主・地主もしくは土地の管理人」の優先順位で提出の義務があります。ご自身がそれに該当する場合には対応する必要があります。 

片付け

借主の部屋に残された品物は全て相続品として扱われるため、貸主が勝手に処分することは許されません。そのため、まずは相続人に連絡を取るのが先決であり、相続人に原状回復・遺品整理の協力を仰ぎ、原状回復費用の負担をお願いすることになります。

まとめると、相続人がいれば貸主のやるべき作業はここまでで、後は相続人に任せることができますが、連絡が取れない場合や、相続を放棄する決断を相続人が下された場合は誰が原状回復を行い、予算を負担するべきなのでしょうか。 

片付けに関連する予算と負担

相続人がいない、もしくは該当者が全員相続放棄した場合にはオーナーもしくは管理会社が原状回復の費用を負担することになります。また、借主が家賃を滞納していた場合はそれらを全て相続人に請求することもできますが、相続放棄をされた場合は原状回復費用に加えて家賃請求もできなくなってしまいますので、その場合の家賃は連帯保証人に請求することになります。 

どの範囲までが原状回復費用?

「原状回復」は住人が退去する際に、室内を入居時と同じ状態に戻すことであり、それによって住人が負担する「原状回復費」とは借主が故意もしくは通常の使用方法に反する使い方をしてダメージを受けた箇所の復旧費を負担することを指します。ならば腐敗したご遺体から漏れ出た体液が浸透したフローリングの交換費用や消臭費用、経年劣化により色褪せた壁紙の交換費用の全てを請求できるのかといえば、そういう訳ではありません。

孤独死は自然死として扱われるので故意の損害ではない。そのため損害賠償の請求は認められないというケースが多く、認められるケースであっても部分的な賠償に限るという判例が多く出ているため、実際にどこまでが原状回復費用になり、請求できるのかというのは双方が納得いくまで話し合って決める必要があるのです。

正確な判断を下せない場合は専門家に依頼

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未納の家賃や原状回復費用を複数存在する相続人に請求する場合、遺産分割協議前であれば「不可分債務」であるこれらは相続人全員にそれぞれ請求することができますが、遺産分割協議後であれば部屋の賃貸権が誰にあるのかが明確になるため、その相続人に請求します。このように状況に合わせた判断を下さなければならないことに加えて、貸主と相続人の間で意見が対立する場合もあるため、本来は無用なはずの混乱や心労を負ってしまう可能性もあり、特に先述した原状回復費用は金銭のやり取りが必要なため話し合いがこじれやすく、ただただ時間だけを浪費してしまう危険性もあります。

こうした場合は弁護士などの専門家に意見を仰いで解決を図ったり、孤独死現場の清掃方法に困っている場合には特殊清掃に精通した清掃業者に作業を依頼したりするなど、専門家の力を借りて適切に対処するのがおすすめです。

まとめ

身近で孤独死が発見された場合、まず一番にやるべきなのはご自身の置かれている状況と発生した現場でやるべき作業を洗い出すことです。孤独死の現場を片付けるためにやるべきことはある程度決まっているため、後は然るべき機関や専門家に対応をお任せできるからです。これは賃貸物件のオーナー・貸主の場合も同じです。まずご自身が為すべきことは何かを判断して正確に行動することが大切です。

この記事を執筆した人

執筆者
株式会社プログレス
編集部 F・N
「身近な問題の解決を記事でサポートする」をモットーに、プログレス各種サイトのコラムを執筆中。
「もし自分が特殊清掃を必要とする立場になったら?」という視点を崩さず、わかりやすく心に刺さる情報を発信。

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